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憲法記念日

日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する日

国会議事堂
Photo by Kakidai / CC BY-SA 4.0

憲法記念日(けんぽうきねんび)は、毎年5月3日に定められている国民の祝日です。祝日法における趣旨は「日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する」こととされています。ゴールデンウィーク(大型連休)を構成する中核的な祝日の一つです。

日本国憲法の「公布」と「施行」の違い

日本の現行憲法である「日本国憲法」に関する祝日は、実は一年のうちに2つ存在します。

  • 11月3日(文化の日): 1946年(昭和21年)に日本国憲法が「公布(こうふ)」された日。
  • 5月3日(憲法記念日): 1947年(昭和22年)に日本国憲法が実際に「施行(しこう)」された日。

「公布」とは、成立した法律や憲法の内容を国民に広く知らせることです。「施行」とは、その法律や憲法が実際に効力を持ち、ルールとして機能し始めることを指します。日本国憲法は公布から半年後の5月3日に施行されたため、この日が「憲法記念日」として制定されました。

国民主権・基本的人権の尊重・平和主義

日本国憲法は、大日本帝国憲法(明治憲法)に代わるものとして制定され、以下の「三大原則」を柱としています。

  1. 国民主権: 国を治める最高の権利(主権)は、天皇ではなく国民にあるという原則(第1条など)。天皇は日本国の「象徴」となりました。
  2. 基本的人権の尊重: 人間が生まれながらにして持っている、侵すことのできない権利を永久の権利として保障する原則(第11条など)。自由権、平等権、社会権などが含まれます。
  3. 平和主義: 戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認を定めた原則(第9条)。

憲法記念日は、これらの原則が日本の最高法規として機能し始めたことを祝うとともに、憲法の理念について改めて考え、議論を深めるための日です。

各地での憲法集会と議論

5月3日には、毎年全国各地で憲法に関する集会やシンポジウムが開催されます。

特に「第9条(平和主義)」の解釈や改憲をめぐっては、戦後から現在に至るまで激しい議論が続いています。「憲法を守り活かそう」と主張する護憲派の集会と、「時代の変化に合わせて憲法を改正すべき」と主張する改憲派の集会が同日に開かれ、メディアでも大きく取り上げられます。祝日でありながら、日本の安全保障や国家の在り方という最もシビアな政治的課題と直結している特異な日です。

5月3日に起こった歴史的事件・ニュース

  • 1947年(昭和22年)5月3日: 日本国憲法が施行。 1889年に制定された大日本帝国憲法は、この日をもって効力を失いました。
  • 1960年(昭和35年)5月3日: アンネ・フランクの隠れ家を保存する「アンネ・フランクの家」(アムステルダム)が博物館として一般公開されました。
  • 1973年(昭和48年)5月3日: 大阪府の吹田市で、阪急千里線の電車が脱線する事故が発生(阪急電鉄千里線脱線事故)。
  • 1987年(昭和62年)5月3日: 朝日新聞阪神支局襲撃事件(赤報隊事件)。覆面をした男が支局に散弾銃を撃ち込み、小尻知博記者が死亡、もう一人の記者が重傷を負いました。言論の自由・表現の自由(憲法第21条)に対する重大なテロ事件として、現在も未解決のまま語り継がれています。奇しくも憲法記念日に発生した事件でした。
  • 2000年(平成12年)5月3日: 西鉄バスジャック事件(ネオ麦茶事件)が発生。17歳の少年が佐賀発福岡行きの高速バスを刃物で乗っ取り、乗客1名が死亡しました。

連休のさなかにあるため、行楽のニュースと並んで、護憲・改憲の集会や、過去の言論弾圧事件を悼む報道が交錯する、1年の中でもジャーナリズムの色彩が強い祝日となっています。