成人の日
おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます日
成人の日(せいじんのひ)は、現在は毎年1月の第2月曜日に定められている国民の祝日です。祝日法における趣旨は「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます」こととされています。
制定の背景と歴史的経緯
成人の日は1948年(昭和23年)の祝日法制定に伴って設けられました。元々は1月15日に固定されていました。この日は旧暦の「小正月(こしょうがつ)」にあたり、かつて元服(げんぷく:男子が成人したことを示す儀式)が小正月に行われていたことに由来しています。
終戦直後の1946年(昭和21年)11月、埼玉県北足立郡蕨町(現在の蕨市)で開催された「青年祭」が現代の成人式のルーツとされています。敗戦により虚脱状態にあった若者たちに希望を持たせ、励ますために企画されたこの祭りが全国的な反響を呼び、国が「成人の日」を制定するきっかけとなりました。
ハッピーマンデー制度による移動
長らく1月15日として親しまれてきた成人の日ですが、2000年(平成12年)に施行された祝日法の改正(いわゆる「ハッピーマンデー制度」)により、1月の第2月曜日に移動しました。これは、土曜日・日曜日と合わせた3連休を作ることで余暇活動を促進し、経済効果を高めることを目的としたものでした。
しかし、この移動には賛否がありました。「1月15日という日付が持つ小正月・元服という歴史的意義が失われる」という文化人からの批判や、雪国など一部の地域では帰省のタイミングに合わせてお盆(8月)に成人式を行うため、連休化の恩恵を受けにくいといった課題もありました。
成人年齢の引き下げと成人式
2022年(令和4年)4月1日より、民法改正によって成年年齢が20歳から18歳に引き下げられました。これに伴い、「成人の日」の対象者や、各自治体が主催する成人式のあり方が大きな議論を呼びました。
18歳を対象とする場合、1月の成人の日は高校3年生の大学受験や就職活動の真っただ中と重なってしまいます。そのため、多くの自治体は引き続き「20歳(年度中に20歳になる人)」を対象とし、名称を「成人式」から「二十歳の集い(はたちのつどい)」などに変更して式典を開催する対応をとっています。
成人の日に起こった歴史的事件・ニュース
成人を祝う華やかな日である一方、この日に発生した特筆すべきニュースや事件もあります。
- 1998年(平成10年)1月15日: 1月15日として最後の成人の日。関東地方で記録的な大雪となり、交通機関が麻痺。振袖やスーツ姿の新成人が雪の中を歩く姿がニュースで大きく報じられました。(成人の日の大雪は、2013年1月14日などにも発生しています)
- 2001年(平成13年)1月8日: ハッピーマンデー制度導入後、初めて第2月曜日に実施された成人の日。一部の式典で新成人が暴れ、市長にクラッカーを鳴らしたりステージに乱入したりする「荒れる成人式」が社会問題としてクローズアップされ始めました。
- 2018年(平成30年)1月8日: 横浜市の晴れ着レンタル・着付け業者「はれのひ」が成人の日当日に突然営業を停止し、社長らが雲隠れする事件が発生。多くの新成人が振袖を着られないという事態に陥り、日本全国に大きな衝撃と怒りを巻き起こしました。その後、同業他社やボランティアが駆けつけて無償で着付けを行うなどの支援の輪が広がりました。
- 2021年(令和3年)1月11日: 新型コロナウイルスの感染拡大(第3波)に伴い、1都3県に緊急事態宣言が発出されている中での成人の日。横浜市など一部の大都市ではオンライン配信と分散開催を組み合わせて実施されましたが、全国の多くの自治体で式典が中止または延期されるという、異例の事態となりました。
成人の日は、社会的に「子ども」から「大人」へと変わる境界線です。振袖やスーツを着飾るだけでなく、社会の一員としての責任や権利(選挙権、契約権など)について改めて考える重要な節目としての役割を担っています。